富山競輪の開設69周年記念「瑞峰立山賞争奪戦(GⅢ)」の決勝戦が2日、第9Rで行われ、村上博幸の先行に乗った稲垣裕之(京都=43)が最終バックで番手まくりを敢行して16年の向日町以来、7度目の記念制覇を達成した。2着には椎木尾拓哉、3着には松岡健介が入線した。
長年、近畿をけん引してきた実力者が久々の美酒を味わった。京都の前回りを志願した村上が元砂を叩いてまさかの打鐘先行に出る。バックで元砂、椎木尾の巻き返しに合わせて稲垣が、番手まくりを決めて激戦を制した。
「これまでずっと村上君には後ろで我慢させることも多く、自分も思ったように走れないこともあった。まさか村上君が先行しくれるとは…うれしかったですね。これが近畿の力というところを見せることができた。あの走りをみて自分ももう一回頑張らなきゃと思いました」。
デビュー時から切磋琢磨(せっさたくま)している盟友のまさかの戦法に感謝の気持ちと敬意を表した。村上自身も稲垣を目標に何度も結果を残していて、志願の前回りから先行で盟友に恩返しを果たした。近畿の〝絆〟の固さを再認識。
「みんなが何でもできるのが近畿の強み。その中で自分の存在感を出していくことにも悩みながら、みんなでレベルアップしていきたい」。競輪界の発展のため、そしてタイトル奪取に向け、近畿一丸となって頑張っていくことを誓った。
【富山記念決勝】稲垣 京都の絆でV
2020/8/3